1日1人2410円でJRの普通列車に乗車できる「青春18きっぷ」
鉄道で本州と函館を行き来するには「北海道新幹線オプション券」を別途すると指定区間の新幹線に乗車できます。
しかし、在来線と新幹線の接続は18きっぷユーザーに優しく設定されていないため、長時間の接続待ちを強いられてしまいます。
この記事では北海道と本州を青春18きっぷで最短で行き来できる行程を調べてみました。
また、待ち時間を利用した乗りつぶしが可能かも追加検証しましたので紹介します。
青春18きっぷで北海道を本州を行き来するには
鉄道で本州と北海道を行き来するには青函トンネルを抜ける列車に乗車します。
2016年に北海道新幹線が開業し、在来線の旅客列車はすべて新幹線に置き換わりました。また、江差線は道南いさりび鉄道に経営分離されたため、青春18きっぷのみでは青函トンネルを通過し、青森と函館を行き来することができなくなりました。
そこで別途発売される「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券(1枚2,490円)」を購入すると北海道新幹線「奥津軽いまべつ駅~木古内」と道南いさりび鉄道の全線に乗車できます。
「青春18きっぷ + 北海道新幹線オプション券」を使用して青森~函館間を移動する場合
青森~津軽二股:津軽線
津軽二股~奥津軽いまべつ:徒歩(隣接している)
奥津軽いまべつ~木古内:北海道新幹線
木古内~五稜郭:道南いさりび鉄道
五稜郭~函館:函館本線
となります。
青春18きっぷでは4路線の乗車が必要
通常であれば北海道新幹線+函館本線の2路線で移動可能ですが、青春18きっぷでは津軽線+北海道新幹線+道南いさりび鉄道+函館本線の4路線乗車する必要があります。
各路線のダイアは下記のようになっています。
青森~津軽二股:JR津軽線
1日1往復のみ青森~津軽二股まで直通しているが、それ以外は蟹田で乗り換えが必要。
奥津軽いまべつ~木古内:北海道新幹線
「北海道新幹線オプション券」では範囲外からの新幹線乗車はできないため、奥津軽いまべつ駅と木古内駅の両方に停車する列車に乗車する必要があります。
普通車の空いている席に座ることができます。
木古内~函館:道南いさりび鉄道,JR函館本線
すべての列車が函館本線の函館駅に乗り入れています。
半分の列車が途中の上磯までの運転になっていて、全線乗り通すのは1日7往復のみ。
「北海道新幹線オプション券」は道南いさりび鉄道での途中下車は不可になっています。
本州~北海道移動の最大のネックは乗り継ぎの悪さ
乗車時間はすべて合わせても2時間程度になっていて18きっぷユーザであれば大した時間ではありません。しかし、最大のネックは乗り継ぎの悪さにあります。特に在来線と新幹線の乗り継ぎは2時間以上待たされることもあります。
一般のお客さんは青森~函館間は新幹線を利用するため、このようなマニアックな乗り継ぎをするお客さんの考慮されていません。(青春18きっぷは破格の値段で乗車できるだけ有り難いので贅沢は言えませんね…)
では、実際にどれくらい時間がかかるか調べてみました。
青森~函館間の移動を調べてみた
「青春18きっぷ + 北海道新幹線オプション券」を使用した行程は上下各3本あります。
下り:本州→北海道(青森→函館)
① | ② | ③ | |
---|---|---|---|
青森発 | 6:16 | 11:11 | 15:31 |
蟹田着 | 6:58 | 11:38 | 16:08 |
(待ち時間) | 9分 | 6分 | 4分 |
蟹田発 | 7:07 | 11:44 | 16:12 |
津軽二股着 | 7:29 | 12:06 | 16:34 |
(徒歩・待ち時間) | 43分 | 129分 | 27分 |
奥津軽いまべつ発 | 8:12 | 14:15 | 17:01 |
木古内着 | 8:46 | 14:49 | 17:35 |
(待ち時間) | 27分 | 30分 | 100分 |
木古内発 | 9:13 | 15:19 | 19:15 |
函館着 | 10:13 | 16:22 | 20:16 |
所要時間 | 3時間57分 | 5時間21分 | 4時間45分 |
上り:北海道→本州(函館→青森)
① | ② | ③ | |
---|---|---|---|
函館発 | 6:50 | 10:34 | 13:16 |
木古内着 | 7:54 | 11:37 | 14:36 |
(待ち時間) | 114分 | 84分 | 25分 |
木古内発 | 9:48 | 13:01 | 15:01 |
奥津軽いまべつ着 | 10:22 | 13:35 | 15:35 |
(徒歩・待ち時間) | 154分 | 95分 | 149分 |
津軽二股発 | 12:56 | 15:10 | 18:04 |
蟹田着 | 13:18 | 15:33 | 18:27 |
(待ち時間) | (乗換なし) | 52分 | 36分 |
蟹田発 | 13:19 | 16:25 | 19:03 |
青森着 | 13:57 | 17:13 | 19:40 |
所要時間 | 7時間7分 | 6時間39分 | 6時間4分 |
最短で本州と北海道と行き来するには
青森〜函館間を最速で移動するには
青森駅6:16発 → 函館駅10:13着(所要時間3時間57分)
函館駅13:36発 → 青森駅19:40着(所要時間6時間4分)
になります。
待ち時間は上り79分、下り210分です。
最短の行程だと1日でどこまで行けるのか?
続いて、最短で本州と北海道を行き来した場合、その日のうちにどこまで行くことができるか調べてみました。
下り:最短で函館駅に到着してから
10時13分に函館駅に到着してから
ひたすら北を目指すと
函館 12:35発
↓函館本線 普通
14:58着 長万部 15:34発
↓室蘭本線 普通
16:58着 東室蘭 17:02発
↓室蘭本線 普通
18:28着 苫小牧 18:42発
↓室蘭本線 快速エアポート191号
↓千歳線
↓函館本線
16:44着 札幌 20:38発
↓函館本線 普通
22:09着 滝川
滝川駅まで行くことができます。
(別途、乗車券・特急券を購入して、特急に乗車すれば旭川まで行けます。)
上り:最短で青森駅に到着してから
19時40分に青森駅に到着してから
日本海側に進むと
青森 19:57発
↓奥羽本線 普通
21:37着 大館
もしくは
青森 19:57発
↓奥羽本線 普通
20:30着 川部 20:35発
↓五能線 普通
21:33着 鰺ヶ沢
大館駅 もしくは 鰺ヶ沢駅まで行くことができます。
一方で太平洋側に進むと
青森 20:00発
↓青い森鉄道 普通
21:34着 八戸
もしくは
青森 20:00発
↓青い森鉄道 普通
20:47着 野辺地 21:22発
↓大湊線 普通
22時24分着 大湊
八戸駅 もしくは 大湊駅まで行くことができます。
(青森-野辺地-八戸はJR線ではありませんが、通過利用する場合に限り利用できます。青森駅、野辺地駅、八戸駅に限り下車可能です。)
番外編 待ち時間を有効活用するには
本州と北海道を青春18きっぷで行き来するには接続待ち時間が多くかかることがわかりました。その待ち時間を有効に活用する方法があります。
それは、津軽線を完乗することです。
青春18きっぷで本州から北海道に移動する場合、
津軽線は青森駅から津軽二股駅まで乗車しませんが、下車しなければ終点の三厩駅まで行くことができます。
待ち時間を利用してあえて終点の三厩駅まで行き、津軽線完乗できるか調べてみました。
下り:本州→北海道(青森→三厩→函館)
① | ② | ③ | ④ | |
---|---|---|---|---|
青森 | 6:16 | 11:01 | 13:23 | 15:31 |
蟹田 | 6:58 | 11:38 | 14:04 | 16:08 |
(待ち時間) | 9分 | 6分 | (乗換なし) | 4分 |
蟹田 | 7:07 | 11:44 | 14:05 | 16:12 |
三厩 | 7:43 | 12:20 | 14:42 | 16:48 |
(待ち時間) | 36分 | 21分 | 14分 | 62分 |
三厩 | 8:19 | 12:41 | 14:56 | 17:50 |
津軽二股 | 8:33 | 12:56 | 15:10 | 18:04 |
(徒歩・待ち時間) | 94分 | 79分 | 111分 | 54分 |
奥津軽いまべつ | 10:07 | 14:15 | 17:01 | 18:58 |
木古内 | 10:41 | 14:49 | 17:35 | 19:31 |
(待ち時間) | 35分 | 79分 | 100分 | 84分 |
木古内 | 11:16 | 15:19 | 19:15 | 20:55 |
函館 | 12:17 | 16:22 | 20:16 | 21:58 |
所要時間 | 6時間1分 | 5時間21分 | 6時間53分 | 6時間27分 |
上り:北海道→本州(函館→三厩→青森)
① | ② | ③ | |
---|---|---|---|
函館 | 6:50 | 10:34 | 13:36 |
木古内 | 7:54 | 11:37 | 14:36 |
(待ち時間) | 114分 | 84分 | 25分 |
木古内 | 9:48 | 13:01 | 15:01 |
奥津軽いまべつ | 10:22 | 13:35 | 15:35 |
(徒歩・待ち時間) | 104分 | 53分 | 59分 |
津軽二股 | 12:06 | 14:28 | 16:34 |
三厩 | 12:20 | 14:42 | 16:48 |
(待ち時間) | 21分 | 14分 | 62分 |
三厩 | 12:41 | 14:56 | 17:50 |
蟹田 | 13:18 | 15:33 | 18:27 |
(待ち時間) | (乗換なし) | 52分 | 36分 |
蟹田 | 13:19 | 16:25 | 19:03 |
青森 | 13:57 | 17:13 | 19:40 |
所要時間 | 7時間7分 | 6時間39分 | 6時間4分 |
津軽線完乗も目指すなら上りがおすすめ
最短の行程を三厩駅まで乗車して津軽線を完乗した場合の比較をします。
【下り(青森→函館)】
青森→函館 | 青森→三厩→函館 | |
---|---|---|
青森 | 6:16 | |
蟹田 | 6:58 | |
(待ち時間) | 9分 | |
蟹田 | 7:07 | |
三厩 | ‖ | 7:43 |
(待ち時間) | ‖ | 36分 |
三厩 | ‖ | 8:19 |
津軽二股 | 7:29 | 8:33 |
(徒歩・待ち時間) | 43分 | 94分 |
奥津軽いまべつ | 8:12 | 10:07 |
木古内 | 8:46 | 10:41 |
(待ち時間) | 27分 | 35分 |
木古内 | 9:13 | 11:16 |
函館 | 9:13 | 12:17 |
所要時間 | 3時間57分 | 6時間1分 |
下り最短行程で三厩駅を経由すると所要時間が2時間多くなってしまいました。
すべての行程はこちら
- 青森駅6:16発
三厩駅経由なし:函館駅10:13着
三厩駅経由あり:函館駅12:17着(2時間4分 延長) - 青森駅11:11発
三厩駅経由なし:函館駅16:22着
三厩駅経由あり:函館駅16:22着(所要時間変更なし) - 青森駅15:31発
三厩駅経由なし:函館駅20:16着
三厩駅経由あり:函館駅21:58着(1時間42分 延長)
津軽線完乗も目指すなら青森11時台発の行程に限りますね。
【下り(函館→青森)】
函館→青森 | 函館→三厩→青森 | |
---|---|---|
函館 | 13:16 | |
木古内 | 14:36 | |
(待ち時間) | 25分 | |
木古内 | 15:01 | |
奥津軽いまべつ | 15:35 | |
(徒歩・待ち時間) | 149分 | 59分 |
津軽二股 | 18:04 | 16:34 |
三厩 | ‖ | 16:48 |
(待ち時間) | ‖ | 62分 |
三厩 | ‖ | 17:50 |
蟹田 | 18:27 | |
(待ち時間) | 36分 | |
蟹田 | 19:03 | |
青森 | 19:40 | |
所要時間 | 6時間4分 |
上り(函館→青森)なら所要時間が変わらないにも関わらず、津軽線も完乗できることがわかりました。
すべての行程はこちら
- 函館駅6:50発
三厩駅経由なし:青森駅13:57着
三厩駅経由あり:青森駅13:57着(所要時間変更なし) - 函館駅10:34発
三厩駅経由なし:青森駅17:13着
三厩駅経由あり:青森駅17:13着(所要時間変更なし) - 函館駅13:36発
三厩駅経由なし:青森駅19:40着
三厩駅経由あり:青森駅19:40着(所要時間変更なし)
どの行程を選択しても津軽線完乗しても所要時間が変わらないですね。
ダイア改正で上りは所要時間が延長 伸びた待ち時間を有効活用可能!
2022年春ダイア改正で下り(函館→青森)の最短所要時間に変化はありません。
一方で上り(青森→函館)は大幅に所要時間が伸びて6時間以上必要になりました。
青春18きっぷで北海道を起点に日本縦断する行程の難易度は高くなってしまいました。
本州と北海道を行き来する場合の最短は
- 上り(函館→青森)
青森駅6:16発 → 函館駅10:13着(所要時間3時間57分)
- 下り(青森→函館)
函館駅13:36発 → 青森駅19:40着(所要時間6時間4分)
途中の奥津軽いまべつ駅・津軽二股駅での待ち時間を有効活用するには
津軽線終点駅の「三厩駅」まで乗車して津軽線を完乗することができます。
上り(函館→青森)ではほどんどの行程で所要時間が伸びてしまいますが、下りは最小の所要時間で三厩駅を経由できます。
おすすめの行程は
- 上り(函館→三厩→青森)
青森駅11:11発 → 函館16:22着 - 下り(青森→三厩→函館)
函館駅13:36発 → 青森駅19:40着(最短で本州に到達できる)
もしくは
函館駅10:34発 → 青森駅17:13着(その日のうちに秋田駅まで行ける)
となりますでしょうか。
ここまで、2022年春ダイア改正での本州・本州北海道を青春18きっぷで行き来する行程を紹介しました。
上りの所要時間が延長してしまったのは残念ですね。増えてしまった待ち時間を利用して「寄り道」してみるのはいかがでしょうか。
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